システム業界の錬金術とは

人売り人買いにあると、ハッキリ解った。


言ってみればそれは当たり前の業界の常識ではあるが、なんでそうなのかというのが解らなくて気持ち悪かった。
その意味が今日でハッキリと解った。


以下引用

『裁量労働制の対象となる業務はIT関係の仕事では、(1)情報処理システムの分析・設計の業務、(2)システムコンサルタントの業務、(3)ゲーム用ソフトウエアの創作の業務に限られている。

SEはこのうちの(1)に該当する。一方のプログラマーはSEから仕事を指示されることが多く、自分の裁量で働く職種ではないということで範疇から外れてしまう。つまり、その企業では、実質的にはプログラマーなのにSEということにして残業手当の節減のために裁量労働を違法に利用しているのだ』



システムエンジニア(SE)とプログラマー(PG)って何が違うの?っていうのが前々から疑問に思うことだった。
明確に職分をPGと規定されている人って、開発の現場にはほとんど居ない。
やっていることが実質PGであっても、肩書きはSEになっている場合がほとんど。


で、SEの仕事の範囲はどこからどこまでなの?って質問すると、明確に答えられる人は皆無で、最大公約数的には、「システム回りのことをなんでもやる便利屋」というもの。


IT先進国のアメリカでは、どういう職分の人が何の工程をやるってのは、かなり明確に決まっているらしい。
設計する人、作る人、テスト(検収)する人、管理する人、注文を出す人、注文を受ける人、監査する人、使う人、運用する人、問い合わせ対応する人。それぞれに対応する名称というか職分があり、責任を負う範囲が明確になっている。
給与の水準も、職分や職能によってかなりはっきりと決まってくると聞く。


日本ではそれらが全部ひっくるめてSEの仕事になっている。
ある意味スーパーマン。
ある意味なんでも使いまわしの便利屋でIT奴隷。


なにやら、システムエンジニアという職種が存在しているのは、世界で日本だけだという話も聞く。
なんで職分がめためたで、味噌もクソもいっしょくたにSEなのかってのは、常々疑問だった。
これが日本の文化ですと言われても、全然釈然としない。


法令上の【裁量労働】を雇用者側に都合よく拡大解釈して適用するなら、SEはどんだけコキ使っても、一切残業代を払わなくても良いという理屈になる。


なので、生産性がどうであれ、SEのタマ数を増やせば増やしただけ、本来は時間外勤務手当てとして労働者に支払われるべき賃金が、ガッポリと雇用者側の懐に入ってくる。それは実に美味しい商売だ。


システム開発の現場に意味不明の非効率な慣習がたくさんあったり、労務上納得のいかないことが平気でまかり通っていたり、品質も進捗も言われているほど重要ではなかったり、実装技術の自動化がハードウェアのスペックの進歩の割には遅々として進まなかったりするのは、まともに考えると理解不能なことだが、裁量労働の錬金術を当てはめて考えるなら、たいへんシンプルに理解できる。


システム業界で最も効率良く儲かるビジネスモデルは、良いシステムを作ることでもなく、安くて早く仕上げることでもなく、優秀な技術者を育てることでもなく、ただただSEという肩書きの人を売りまくること。
売れば売っただけ、本来労働者の懐に入るはずの稼ぎを、雇用者がピンハネ出来るから。


この業界、開発要員としても、管理要員としても、まったく使い物にならないインチキ臭い人間ばかり集めている会社が、なぜか一部上場企業としてまかり通っていたりして、なんであんなのばっかりでやってけるのだろう?ふつーあんな無能者があんだけいたら会社潰れるだろ?というのがままあるが、政官財がみんなグルになって裁量労働からピンハネしているのなら、人売り人買いさえ成立していれば、中身はなんでもいいから儲かるという図式になっているのは、理解できる話。


普通、そんな非効率で出鱈目な錬金術がまかり通る業界が一定以上の規模で存在していたら、その国の景気は失速するはずだが、日本は案外そうでもない。
といってもすごい好景気かというとそんな気は全然しないが。


お荷物としか思えない業界が存在するのに、失速せずにそこそこやっていけるということは、本来の日本の経済力とか生産性は、お味噌を抱えていても余裕で回していけるぐらいのパワーがあるということだろう。
やはり日本の生産性ってのは世界一なんじゃないだろうか。


ぶっちゃけ、システム開発は製造業ではない。